投資家ビザ(Tier 1 Investor)は、非欧州経済地域(non-EEA)諸国出身の高額個人資産家(high-net-worth migrants)を誘致するために導入されたビザ制度で、資金の流入を通じてイギリス経済を振興させ、イギリス企業の実質的な投資を誘致することを目的としています。
投資家は、2百万ポンド以上の投資金をイギリス内の企業に直接投資するか、またはイギリス政府省庁や傘下機関の資金が誘致されたファンドに間接的に投資できます。
投資額に応じて2年、3年、5年の在留が認められれば、永住権を取得できます。
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投資の選択肢
Investment Options
- 任意のイギリス企業の株式資本(Share capital)またはローン(Loan capital)投資が可能です。イギリス企業局(Company Houses)に登録された会社で、2人以上を雇用し、実際に営利活動をしている企業に投資する必要があります。投資規模は、少なくとも2百万ポンド以上となり、上限に制限はありません。
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利用条件および資格
Visa Requirements
- 高額の投資が要求されますが、英語、年齢、経歴など他の要素に制限はありません。
本人あるいは配偶者名義で、イギリスへの投資が可能な200万ポンド以上の資金が必要です。投資保有期間が2年未満であれば、資金獲得の経路を証明する必要があります。特徴的なのは、イギリス内の金融監督院(Financial Conduct Authority)に登録された銀行から投資目的で口座が開設され、資金の出所(Non money laundering fund)が明確だという確認書を受け取り提出する必要があります。
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手続き
Procedure
- UK(イギリス)の投資家ビザの利点として、他国における同ビザと比べて申請の処理が早くなると共に、手続きもそれほど複雑でないことが挙げられます。
投資家ビザによる入国の手続きは三つの段階に分けられます。
第一の段階として、投資する事業や資産運用会社を選択するためには事業計画を見直す必要があります。
次に、目標の事業や会社を評価した後、その事業や会社に対するデューディリジェンス(精査、適正評価など)を通して相談した投資の条件に基づき、投資契約の草案を準備する必要があります。
最後に、ビザの申請をするため、自分が関連企業に投資できるだけの投資資金を有していることを証明するか、イギリスに入国した後に国債を購入することになります。
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在留資格の条件
Conditions of Stay
- 年間180日以内で海外滞在でき、クォータ制限がなく、家族連れが可能で主なビザ申請者の配偶者と18歳未満の子供が申請できます。
家族は、主ビザ申請者と同時または後日に申請でき、18歳未満の子供は同伴ビザの発給を受けた状態で公立学校に進学できるというメリットがあります。
配偶者と未成年の子供も、同伴家族の資格で主申請者と一緒に永住権取得が可能です。
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滞在期間
Length of Stay
- 最初の申請時の3年4ヶ月(または3年)有効のビザが発給され、今後イギリスで投資規模に応じて、入国日から(またはビザ承認日から)2年または3年または5年滞在した後、永住権を申請できます。
永住権取得後1年が経過すると、市民権を申請できます。
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延長条件
Requirements for Visa Extension or Residency
- 延長を成功させるためには、様々な要件を満たす必要があります。
個人的には、移民局が規定したビザ所持者として欠格事由がない必要があります。
事業性の検討を受けた機関から事業評価を受け、今後の事業の持続可能性を証明する必要があります。そのために事業を設立、当該事業の登記役員の資格で事業を経営し、事業が成長したことを証明する必要があり、支出、資産規模、売上高を基に今後12ヶ月間の事業継続性の妥当性を提出し、これに対する可能性を証明する必要があります。
永住権取得のためには、以下の要件のうち少なくとも2つの要件を満たす必要があります。
- 検証機関(Endorsing)に申告した事業に少なくとも5万ポンドが投資されたことの証明
- 取引顧客数が最近3年以内に倍増し、イギリス企業の平均顧客数よりも高いことの証明
- 研究開発の成果と知的財産権の登録申請の証明
- 昨年の総収入(Gross revenue)が1万ポンドを超えたことの証明
- 昨年の総収入が500,000ポンドになり、このうち100,000ポンドが輸出で発生したものだったことの証明
- 少なくとも10のfull-time雇用創出の証明
- 税引前金額が少なくとも2万5千ポンドになる5つの職種で雇用創出したことの証明